ジェイフィール2019.03.05
あなたらしさは何ですか?
あなたの強みは何ですか?
この問いに、すぐに答えられますか?
すぐに答えられないのは当然と言えば当然です。
なぜなら「らしさ」は自然なもの、「強み」は自然にできている部分であり、意識的にやっているものではないからです。
では、あなたの上司は、あなたの「らしさ」や「強み」をすぐに答えられそうでしょうか。
今回のセミナーでは「Be Yourself」をコンセプトに掲げているトレンドマイクロ株式会社の人事総務本部 脇山様をゲストスピーカーとして迎えました。
トレンドマイクロ社は創業者のスティーブ・チャン氏が『最大の資産は「人」である』と全社に向けてメッセージを発するように、「人」を大事にし、「社員が本来持っているポテンシャルを発揮するために」と様々な土壌づくりに取り組んでいる会社です。
人材育成や様々な社内制度の根幹に「Be Yourself」という考え方を持ち、創業当初から「自分らしく」あることを大切にされているとのこと。
元々素晴らしい土壌をお持ちの会社ですが、社員一人ひとりが、より「自分らしく」キャリアを築いていけるよう、さらなる取り組みをし続けているので、そのお話をしていただきました。
ジェイフィールがトレンドマイクロ社のお手伝いをしているのは、上司とメンバーのコミュニケーション活性化(いわゆる1on1)の部分です。
・コミュニケーションをきちんと取れているか。
・「取れている」という意識だけでなく、きちんと行動に移されているか。
この点について確認するために取った2016年のサーベイでは「上司と率直に話せていますか?」という質問に対し、86%が「率直に話せている」と回答したそうです。
高い数字です。
上手くいっていると判断してもいい。
しかし、何を話しているのか掘り下げてみると、「仕事の報告・相談」が多く、自身のキャリアについての相談はあまりできていないことが見えてきました。
そこで「メンバーそのものを見なければいけない」という思いからジェイフィールの「戦略的OJTプログラム」を導入するに至りました。
このプログラムは6か月と長期にわたり、上司とメンバーがペアを組んで対話をし、ひとつの目標を立てて上司が部下に伴走するというもの。2人の関係性がよくなるとともに、メンバーもハードルの高い目標に取り組むことで成長実感が持てるものです。
脇山様は人事担当者として、本音の部分も語ってくださいました。
「正直、マイナスからのスタートというペアもいて、これに参加したところで関係構築できるのだろうか?メンバーは成長実感を得られるのか?と思いました。」とのこと。
しかしこのペアは腹を割って話すことから始め、何度も対話するうちにメンバーが上司の理解・支援を受けてやりたいことがやれるようになり、最終発表では「参加ペアの中で最も晴れ晴れとしていました。」とその姿が印象に残っているそうです。
また、最初の3か月は「なりたい姿」がまったく描けないペアもいたとか。
しかし対話を続けるうちに、上司が「メンバーの言っている表面的な部分しか見ていなかった」ことに気付き、問いかけを深めていったところ、後半からメンバー自身の"なりたい姿"がクリアになっていき、行動パターンが変化していったということもあったということでした。
このプログラムでは「強み」にフォーカスすることを大事に考えています。
特に日本では、弱点に目がいき、できていないことを改善することに重きを置きがちです。
しかし弱点にフォーカスすることでその人らしさは発揮できるでしょうか。
自分らしく働くために大事なことは「強み」=「知識・経験」×「スキル」×「持ち味」です。
知識・経験やスキルは学んで習得することが可能ですが、大事なのはその人らしい「持ち味」。
知識・経験・スキルに「持ち味」が加わることで、その人ならではの「強み」となります。
持ち味を活かして強みを発揮できてこそ、「自分らしく」働けているということではないでしょうか。
自分らしいキャリアの構築を大事に考えているトレンドマイクロ社では、他にも様々な取り組みをしています。
会社全体で双方向的なコミュニケーションや議論ができるような場を設けたり、
マネージャー同士の学び合いの場を設けたりと、他にも数々の仕組み、セッション、コミュニケーションパーティなどがあり会社としてかなり「本気」の取り組みをされていると感じました。
また、新しい制度として「パラレルキャリア(副業許可制度)」「トランスバウンダリー(社外出向制度)」「ウェルカムバック(再入社制度)」「キャリアチャレンジファンド(社外でのネクストチャレンジへの経済的サポート)」などを導入しています。
制度の拡大はさらに検討を重ねられており、今後もブラッシュアップをしていくそうです。
私が感じたのは「ここまで会社が本気を見せてくれたら、誰しも一歩を踏み出しやすいだろう」ということ。
あとは自分次第だと素直に思えるし、自分も本気で自分らしいキャリアに向き合えるはず。
仕事・キャリア・人生というものは切り離して考えられるものでは本来ないのです。
そこに「自分らしさ」がなかったら、どこかで辛くなるのではないかと思います。
「働く」も自分の人生そのものです。
脇山様のお話を聞きながら、「私らしさって何だろう。私はジェイフィールでどれだけ自分らしくいられているだろう。」と考えながら、セミナーを終えました。