佐藤 将2018.08.06
17.打上花火 間近で見たら
なぜだろう?
美しい打上花火を見た時
素の表情に戻る
あらかじめ知っていたのだろうか・・・
パッと光って
音速が光速に追いついた頃
夜空に消えていく
あの一瞬のインテンシティが
人生の原体験とシンクロすることを
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最近、多くの方の自分史を聞いていて、気づいた。
人生には、幸不幸や、アップ&ダウンと関係なく、
「密度の濃い時間とそうでない時間」があることを。
密度の濃い時間は、今振り返っても、その時期の事を鮮明に憶えている。
相手の一挙手一投足や、その時のお互いの感情の動きまで。
逆に、密度の薄い時期は、あまり多くの事を思い出せない。
決して悪い時代ではなかったはずなのに、
幸不幸で言えば幸福だった時代もたくさんあったのに。
『一体、何が人の人生の密度を決めるのだろう?』
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先日、タイガーモブ(通称タイモブ)さんとコラボした時の事。
ルワンダやガーナでインターン経験をしてきた「スーパーZ世代」(U25)の大学生たちと話す受講生。
会社から次世代リーダーと期待される30歳前後の「ザ・ミレニアル世代」の受講生。
優秀でスマート。
発信は控えめだけど、
よく考えていて。
目立とうとしないけど
チームで働くのがとても上手で。
何より、優しくて、
他人への気遣いが自然にできて。
けれど会社では、
周囲への遠慮配慮で、
萎縮してしまって、
窮屈なリアルの中で、
自分を出せずに悩んでいて。
そんな彼ら彼女たちが、
スーパーZ世代の学生達との会話で、
みるみるうちに変わっていく・・・
(あっ!素のままの表情とは、こういう表情なのか!)
もし普段からこんな表情で働けたら、
人はどんなに創造的で、楽しくワクワク働けるだろう・・・
人はどんなに共感的で、文化や国を越えて働けるだろう・・・
ここ数年、多くの研修を経験したけれど、
彼ら彼女たちの横顔が、今でも心に残る。
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あれは初めての海外旅行の時だった
当時20歳だった自分は、サンディエゴの市バスに乗っていた。
ダウンタウンを抜けると
まるでメキシコのようなエリアに入った・・・
カンカン照りの太陽
一面の沙漠
その中に佇む砂嵐に埋もれそうな平屋・・・
バスが止まると
小さな子どもたちが乗って来た
恐らく不法移民の子どもたちなのだろう・・・
その最後尾
恐らくその弟、妹たちの長女だろう
幼い兄弟をしっかり両手に握って乗って来た
その少女の瞳と出逢った瞬間
まるでお互いの人生がダウンロードされるような感覚に陥った・・・
(なんなんだ、この感覚は・・・)
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その後、人生で、同じような経験を何度かしたけど
時に、あの時以上の経験があったけど
未だその理由を解明できていない
けど、あの一瞬のインテンシティの連続が
自分の人生を大きく変えてきた
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もしかしたら、
忘れてしまっていたのかも知れない。
素のままの表情で働くということを・・・
もしかしたら、
気づかずに過ごしていたのかも知れない。
こころを通わせて働くということを・・・
働き方改革が叫ばれている昨今だけど、
その先に、
「あの時見た、ミレニアル世代の、ありのままの表情」が
あればいいなと思う--