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佐藤将 連載コラム「ニッポンが世界を元気にする」②

佐藤 将2013.09.24

2.ねえ君はもうグローバル以上

『一人にできないので、引き受けましたよ』
「我が社の人材育成のあり方を抜本的に変えたいんです」と言う若手人事マン達と飲んだときのこと。
「上の世代にもっと期待したい事は何ですか?」と訊いてみた。
「・・・うん、そうですね、仕事だけでなく、人生に関するお話をもっと聞きたいですね」
「・・・どうして?」
「いや、自分は週末、海外の学生を日本企業に紹介するグローバル・インターンシップのお手伝いをしているんですけど(目がイキイキ)」
「それって面白そう」
「面白いっすよ。前に、ある学生が来たとき、日本でのホームステイ先が手配されてなくて・・一人で放っておけなくて、引き受けましたよ(目に自信)」
「へえ」
「狭い自分の部屋で、背の高いアメリカ人だったから大変でしたけど(Smile)」

『でも、私たちはこう考えるのです』
あるグローバル企業の若手研修合宿でのこと。
入社3年目の若手が、過去2年間の経験を振り返り「自社らしさ」を語る。
なぜか謙虚でトーンも低い世代だけど、映像を使った目が醒めるプレゼンが続く。
そして、3つめのグループ。
先輩達のエピソードや心に響いた言葉が続いた後・・・
「我が社らしさって何だろう?」・・・
(客観的な(他人の)言葉や、キーワードが次々とスライドインされる)
「でも私たちはこう考えるんです・・・」
(少し間をおいて・・・バーン!)
「○○○(自分達のアンサー)!」
(メンバー全員、背筋の伸びたSpiritsある姿勢で)」

『思い、強いっすよ』
最近、シンガポールでサマー・インターンをしている日本人の学生たちにお会いした。
東大の大学院で「フクシマの放射能廃棄物の将来コスト」を研究しているという学生。
「就職は?」
「インフラ系がいいですね」
「それは、今の専攻から?それとも安定志向から?」
「もちろん、専攻からです!!」
(少し目に力が入り・・・)
「僕たちの世代、危機感あります。社会を変えたいって思い、強いっすよ(Shining Eyes)」

昨今、日本で盛んな「グローバル人材が足りない」という議論。

でも、その議論、もしかして旧くない?

かつては、海外で営業や交渉ができる人材はグローバル人材。
その後、工場や販社で自社のノウハウが伝えられる人材がグローバル人材。

でも、21世紀、もっといろんなグローバル人材がいてもいい。

今はもう手の中の携帯ひとつクリックすれば、世界とつながれる時代。
TOKYOの街は世界中のもので溢れている。
生まれた瞬間にグローバル、気づいたらグローバル。

もしかしたら、もうグローバルと無縁で生きる人生なんてないのかもしれない。
恐らくジャングルの奥地やアフリカの砂漠のど真ん中に行かないかぎり・・・それも、もしかしたら思いっきりグローバルかもしれないけれど。

もはや時代は、「グローバル人材になるか、ならないか?」(To be, or not to be)という選択肢を迫らない。

誰もがグローバル。みんながグローバル。

***************************************

それは、無常観を呼び起こした「3.11」のせい?
それとも、失われた20年を欧米より15年先に経験したせい?
それとも、上の世代が失敗と呼ぶ「明治パラダイムの敗戦」によって過去のドグマから解放されたせい?

今のニッポンの若者には、世界に先駆けた「突き抜け感」がある。
世界の若者が必要とする「力」を宿している。

だから、 - Just the way you are - 
世界が待っている -

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