高橋 克徳2025.01.06
毎年、日本でも世界でも各地で災害や紛争が起き、多くの人たちの命や生活が奪われていることに心がつらくなります。その中でも1年を無事に越すことができたことに、ご一緒させていただいた皆様や仲間の支えに、心から感謝です。
ジェイフィールではここ2年、コロナ禍が人の心理に与えた影響を繰り返し調査してきました。仕事中心、会社中心の当たり前の日常とは異なる体験をしたことで生き方、働き方、職場や会社との関り方を見直す人が増えています。それが仕事への姿勢の違いや同僚との関り方に違いを生んでいる。でも、その本音を互いには言えない、言わない。だから、どこかで触れられない、対話ができないと止まってしまう。
わたしたちはこういった状態を、「静かなる分断」と呼んでいます。
本当の気持ちに蓋をして、目の前の仕事をこなす中で、この仕事、職場、会社と何でつながっているのかが見えなくなる。そこでは主体的にその仕事、仲間、会社に関わろうという意識が希薄になっていく。気づくとみんなが距離を置いている状態です。
なぜ、こんなことが起きたのか。
その根幹にあるものを知りたくて、昨年7月、私の恩師の一人でもある一橋大学の伊丹敬之先生に来ていただき、人本主義の本質とは何かを探る対話セッションをさせていただきました。あらためて気づかされたのは、経営者も社員も含めて自分たちがこの会社をつくり、育て、守る主体であるという主権者意識をバブル崩壊以降、会社は奪い続けてきたということです。だから、主体性も創造性も持てなくなる。そこに真のつながりを見出せなくなる。
そんな背景がある中で、単に個々人の意識や能力を高めようとしてもむしろ心を閉ざす人が増えていくだけです。あらためて、この場所をともにつくり、育て、守ろうという気持ち、すなわちコミュニティシップが自然と湧いてくる関係づくり、場づくり、そんな土台からの革新が必要なのではないでしょうか。
今年も世界で、日本で、大きな変化や試練が起こるかもしれません。その時に、この場所を一緒に守ろう、一緒に乗り越えていこう、そんな感情の連鎖が起きる場所になっているか。
あらためて考えてみませんか。
本質が問われる時代になっています。
考え方や価値観も多様化しています。
だからこそ、対話をあきらめない。
一緒に本質を探究する。
わたしたちジェイフィールは、「コミュニティシップ溢れる、人、組織、会社づくり」を応援します。
高橋克徳
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